カナダをディスる間違った情報に惑わされないで!
このブログをかいていると、メールの相談で、「カナダを留学先にしていいか迷っている」と聞かれることが結構あります。
よく話を聞いてみると、「ネットのまとめ記事やブログなどを見て心配になった」そうです。
カナダに留学して結局永住までしてしまったわたしとしては、間違った情報に振り回されてカナダ留学を諦める人がいるのは残念でなりません。そこで今回はカナダに関する間違った情報に惑わされないでという内容でブログを書きます!
「カナダをおすすめしない理由」は本当か?
ネット上の記事では、こんなタイトルのものをよく見かけます。その中には決まって、こう言うことが書かれています。これだけ読んでしまうと、カナダに留学するのを躊躇してしまいそうですよね……。こういった記事は単体で見ると、たしかに一部事実を含んでいますですがあくまで一部で、全体としてみれば誇張されていると言わざるを得ません。
ではどうして、こんなに誇張された事実と異なる記事をわざわざ書いているのでしょうか?
わたしなりの見解を述べてみます。
検索をするときに「悪い評価も見たい」という心理
何かを検索するときをちょっと思い浮かべてみて下さい。たとえば「Aという洗濯機を買いたい」と思って検索するときに、こんな2つの情報を見てみたいと思いませんか?
購入するときに見たい情報
- その洗濯機に対する「良い評価」
- その洗濯機に対する「悪い評価」
「Amazon」や「楽天」で買い物する時も、他人のレビューを気にされませんか? そして、最終的に購入するものを決めることが多いでしょう。
なぜかというと、もちろん「失敗をしたくないから」です。
つまり、何かを調べるときに、「悪い評価も見たい」という心理があるんです。
「間違いの多い記事」がネット上で続出する理由
その結果、マイナス情報がたくさん集まって購入を控えたことはありませんか?そして、類似するほかの商品を買ったりする……。
そう、ここがこれらの記事の目的なのです。
今回のケースを細かく見てみます。こういう流れです。
ネットマーケティングの手法
- カナダ留学について調べた人が「カナダ留学をオススメしない」という記事を読む
- 「カナダ留学の前に予算の安いフィリピン留学をした方がいいよ!」と誘われる
- じゃあカナダじゃなくフィリピンにしようと、「フィリピン留学」に申し込む
たしかにマーケティング手法としては効果があり、上手だと言えるかもしれません。
でも、実際にカナダで住んでいて「これはウソばっかり!」と知っている者からすると悲しくてたまりません。
「カナダ留学をオススメしない」のは本当?
さて、マーケティング手法については理解出来たところで、でも実際にはどうなの?と思うでしょう。上で挙げたよく見る「カナダ留学をオススメしない理由」について、カナダ在住10年以上の私が検証してみます。
カナダには外国人や人種に対する差別がある?
日本にいるとあまりないですが、海外に行くと日本人、アジア人の差別が多いと心配される方は多いようですね。ウェブサイトで検索すると「良い情報」も「悪い情報」もあるので、いったいどれが正しいのか迷うはず。
結論から言えば(あまり結論になっていませんが)、「差別と感じるかは自分次第」です。
わたしがカナダに来てから、特に最初のうちは、英語ができなくてバカにされたと感じることがたくさんありました。これは広い意味では差別なのかも知れませんが、「いつか絶対見返してやる!」って英語を勉強するモチベーションに変えて、実際語学学校に数か月通ってからは、英語で悔しい思いをすることはぐっと減りました。
あとは、差別とはちょっと違うかも知れませんが、新しい職場に入るたび、わたしのマウントを取ろうとしてくる同僚はどこにでもいました。そういう人たちが、わたしに対して優位に立つために、人種や英語力を使ってくることがありました。
でも、日本にもいますよね。いつでもマウント取りたがる人。いや、日本のほうがむしろ多いかも。
最初のうちは、マウント争いに応じていましたが、途中から面倒くさくなって彼らの望むようにマウントを取らせてやることにしました。その時「彼らは人種や英語力を持ち出さないと人の優位に立てない、心の貧しい可哀想な人たちなんだ」と心の中で憐れんでいました。
カナダで差別があるといっても、こんな他愛のないレベルです。深刻な差別は皆無と言っていいです。
カナダはそもそも、イギリスとフランスからの移民によって形成された多民族国家で、国の方針として、多国籍、多民族な移民を受け入れてきています。
教育の面でも「みんな違うのが当たり前」という方針で、特に若い世代では、肌の色や宗教などの違いで特別な意識をもつ子どもも少ないように思えます。
カナダは毎年25万人以上の移民を受け入れ、トルドー首相はこんなことを言っています。
トルドー首相の言葉
カナダは違いがあって「も」ではなく、「違いがあるからこそ」強くある差別について、こんな象徴的な出来事もありました。
ISイスラム国のテロが頻発している時期、平和なバンクーバーでもイスラム教信者の移民に対して反対するデモが企画されたのです。
しかし、フタを開けてみればなんと! デモ参加者はたったの28名。
それに対し、デモ参加者に対して反対する参加者は4000人以上という結果に。
Thousands of people came out to Vancouver City Hall Saturday afternoon in support of an anti-racist demonstration countering a previously planned rally against immigration.
CTV Vancouver Newsより引用しました。
このエピソードだけを見ても、カナダがどれだけ差別に対して敏感か、差別が少ないかが如実に分るでしょう。
学歴は英語圏のものだけが適用される?
そして、カナダに留学したときの学歴の話です。「英語圏の学歴しか適応されない!」と書かれることが多いのですが、これはウソです。
まず、カナダで就職する際には、学歴はそもそも重視されません。
その人が今までどのようなことをしてきたのか、どんなスキルを持つのかのほうが重要視されます。
日本のように「有名大学卒業 = 優秀」という図式はカナダには存在しないため、履歴書の学歴が英語圏かどうかはまず関係ありません。
逆に言えば、学歴に頼らずに就職活動をしなくてはいけないので、そうそう簡単に就職で来るわけではありません。
例えばUBC(ブリティッシュコロンビア大学:日本の東大よりも世界ランキングが高い)を卒業したカナダ人であっても……。
また、そもそもですが、ワーキングホリデービザで渡航した「英語をかろうじて話せる日本人」は学歴を見られることはまずありません。
そんなことよりも、ワーホリの仕事は接客業が主となることが多い為、こういうことを重視されます。
採用で重視されること
- あとどれくらいの期間カナダで働けるか
- どのくらいフレキシブルにシフトに入れるか
- きちんと仕事に取り組む姿勢があるか
日本より治安が悪い?
カナダ留学をおすすめしない理由に戻ります。今度は治安についてです。カナダが日本よりも治安が悪いという情報は正しいのでしょうか?
殺人率ランキングでいうと、日本よりは高いです。あくまでデータとしては。
しかしながら、日本でも治安のよい都市、悪い都市は、エリアにより異なると思いますが、これはカナダでも同様です。
日本より治安が悪いことは事実ですが、そもそも日本が世界で一番と言ってもいいくらい治安の良い国です。治安の悪さを心配するなら、一生日本にいたほうがいいと思います。
日本で実現できない夢がカナダにあるから留学や永住をするわけで、その夢のためには多少のリスクは覚悟しましょう。
(リスクと言っても、「多少の」ですよ。カナダが世界的にみて、治安の良い方に属する国なのは間違いありません)
カナダは日本人だらけ?
ではカナダは日本人だらけという情報は本当でしょうか?これも全くの誤解です。
確かに、バンクーバーオリンピックの頃は、バンクーバーには日本人がたくさんいた印象があります。
でも、このブログを書いている2018年7月の時点では、トロントではダウンタウンの中心地を除いて日本人とすれ違うことすら少ないです。
留学先の都市や学校を選ぶ時に、日本人の数を気にする人がたくさんいますが、カナダに長く住んでいる経験から言わせてもらうと、無駄に日本人を避けるのはナンセンスです。
カナダにはそもそも日本人がそんなにたくさんいないし、たまにあったとしても、日本人を避ける理由はありません。
ここで、ちょっと話は横道にそれますが、バンクーバーやトロントなどの大都市を避けたがる人に対して、わたしの意見を述べたいと思います。
なぜ、留学エージェントに相談するとバンクーバーやトロントなど大都市の学校ばかり紹介されるのでしょうか?
答えはシンプル、
バンクーバーやトロントに質の高い学校が揃っているから
です。
たとえば、アメリカ人が日本語を勉強する際には、おそらく東京や大阪などの日本語学校を選ぶ可能性が高いのだと思います。人口が多く、外国人向けの日本語学校も多く、幅広い選択肢から自由に選べ、質もそれなりに期待できるであろうからです。 それをあえて、東京でも大阪でもなく、島根の学校を選ぶと聞けば、逆に不思議に思うでしょう。なぜわざわざこの都市なのか、と。 それと同じことで、カナダ留学の場合は、バンクーバーとトロントの学校を紹介されることはごく自然なことです。
なお、日本人が少ないところにいきたい、というご希望も良く伺いますが、注意が必要です。
少ないです。人口比でいうと1%もいません。
渋谷で外国人に出会う割合と同じ程度は日本人がいますが、その程度です。それ以外の住人はすべて日本人以外です。ただ、一部の学校密集エリアの、昼休みなどの一時期のみ日本人ばかりという環境はありえます。
2)日本人が周りにいると英語学習できない?
英語学習、全然出来ます。
仮に周りを歩く人が日本人ばかりだとしても、その方たちと話をする機会はほぼないので学習面で影響はほとんどありません。 ホームステイ先がカナダ人家庭で、語学学校に通うとして、その通学途中に日本人10人とすれ違ったとしても、そのおそらく初対面であろう日本人たちと日本語で会話する可能性は0に近いでしょう。
ホームステイ先が英語環境で学校が英語環境で、新しく作る友達も日本人以外と交流をすれば、周りに日本人がいるかいないかは英語学習にまったく影響しません。
3)日本人率が低い学校が良い?
同じ日本人率20%でも、全校生徒1000名の学校だと200名で、100名の学校だと20名です。 クラスの数が多い学校だと、日本人は初級や中級クラスに固まるため、日本人率が低くても一クラスあたりの日本人が多くなる傾向があるのでご注意ください。 初級クラス10名中6名が日本人、中級クラス10名中1名日本人、上級クラス10名中1名日本人でも、全体では30名中8名日本人で26%です。10名中2名~3名は日本人だと思って留学して、クラスの半数が日本人だった。などとガッカリすることがありますが、(実はわたしもそうでした!)レベルの低いクラスに入って周りが日本人だとガッカリするのは、お互い様なんです。
頑張って勉強して上のクラスに上がれば、だんだんクラスの日本人は少なくなりますよ。
4)日本人はいないほうが良い?
わたし自身も、最初は「日本人と群れるものか!」と肩肘を張っておりました。でも、日本語で安心して相談できる場所があることは、海外での生活で非常に役立ちます。留学中は、英語が上達しないとか、留学生同士の友達関係、ルームシェア先での家賃トラブルなど、普段の生活の中でストレスが溜まることがけっこうあります。
そんな時に、日本語で相談できる相手がいないと、参ってしまいます。わたしは結局、お世話になった留学エージェントのカウンセラーさんに、学校以外の悩みもずいぶん聞いてもらっちゃいました。
この場を借りてお詫び&感謝します。「あの頃はお世話になりました。おかげさまで何とかカナダで暮らしています」
更に詳しく、実際の統計情報を元に、カナダで一番人気の都市バンクーバーを中心にトロントやオーストラリアの人気留学先都市とも日本人率を比較してみたいと思います。
カナダに住む日本人の人口
では、カナダに住む日本人の人口はどれくらいなのでしょう?2017年に外務省が発表した海外在住邦人数によると、カナダに居住している海外在留邦人数は約7万人です(参考: 外務省、海外在留邦人数調査統計)。
日本人7万人に対し、カナダの全人口が3629万(2016年)なので、0.19%が日本人ということになります。少ないですね。
ちなみに、この数はカナダ国籍となった日系人は含んでいません。そのため、こちらの人たちの合計人数ということになっています。
- 日本の国籍を保有していて、カナダに永住している人
- 留学や赴任などでカナダに長期滞在している人
アメリカは世界で最も多くの日本人が住んでいる国です。
バンクーバーとトロントの日本人の割合
お次は、気になる日本人の割合です。先ほどの外務省のデータを元に、トロントとバンクーバーの日本人の割合を見ていきます。バンクーバー(都市圏) | トロント | |
---|---|---|
総人口 | 246万人 | 273万人 |
日本人の数 | 2万 8,000人 | 1万 3,000人 |
日本人率 | 1.1% ※ 91人に1人 |
0.5% ※ 200人に1人 |
総人口に対する日本人の割合は、トロントで0.5%(200人に1人が日本人)、バンクーバーで1.1%(91人に1人が日本人)となっていました。
たしかにトロントエリアに比べると、バンクーバーの日本人の割合は増えますが、決して「街に日本人が溢れている」──というレベルではありません。
むしろ、街中での日本人は非常に珍しい部類だと言えます。
オーストラリア人気留学先都市の日本人の割合
バンクーバーの日本人率1.1%という数字は、海外の他都市と比べてどうなのでしょうか?カナダと並んで、ワーホリや留学で人気のオーストラリアの日本人率を、先ほど同様、2017年版の在留邦人数を元に見てみましょう。
ケアンズ | ゴールドコースト | シドニー(都市圏) | |
---|---|---|---|
総人口 | 15万2,000人 | 55万6,000人 | 500万人 |
日本人の数 | 3,500人 | 1万人 | 3万1,000人 |
日本人率 | 2.3% ※ 43人に1人 |
1.7% ※ 59人に1人 |
0.6% ※ 167人に1人 |
日本人の割合は2.3%(43人に1人が日本人)と、日本人率は非常に高くなっています。
とても小さな都市だけに、行く先々で日本人が多いと感じるでしょう。
ゴールドコーストもオーストラリアの中でも日本人に人気のある都市ですが、日本人の割合は1.7%。ケアンズほどではありませんが、都市規模を考えると、日本人を見かける確率としてはかなり高め。
シドニーには、バンクーバーよりも多くの日本人が住んでいます。ただ、都市規模が上回るため、日本人率はバンクーバーよりも下がりますね。
カナダの都市での日本人は少ない
いかがでしたか。バンクーバーの日本人率1.1%は、トロントエリアに比べると高くはなるものの、ケアンズやゴールドコーストと比べてみても、その割合は決して高くはないことがお分かりいただけたかと思います。
まとめ
いかがでしたか?留学先としてカナダをお勧めしない理由を見てみましたが、どれも的外れな指摘であることが分かったかと思います。
特に、カナダに日本人が多いという情報に関しては、日本人の比率だけに惑わされないようにしましょう!
バンクーバーやトロントは決して日本人が多い街ではありませんし、日本人の数が英語の勉強に悪影響を与えることもありません。日本人が少ない環境で英語を勉強したかったら、自分の英語レベルを上げろっていう話です。(自戒を込めて、ね。)
以上です!
もし留学で困ったり質問がある方はここまでご連絡ください!!!!
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